遺族厚生年金

支給要件

厚生年金被保険者または厚生年金被保険者であった方などが、次の1から4のいずれかに該当したときは、遺族の方に遺族厚生年金が支給されます。ただし、1と2については、保険料納付要件を満たしていることが必要となります。

死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該国民年金の被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が全体の2/3以上あることが必要です。ただし、令和8年4月1日前に死亡した場合は、この要件を満たさなくても死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料未納期間がなければ該当します。
  1. 厚生年金被保険者の方が在職中に死亡したとき。
  2. 被保険者であった間に初診日がある傷病により、被保険者の資格を喪失した後、その初診日から5年以内に死亡したとき。
  3. 障害厚生年金または障害共済年金(1級、2級)の受給権者が死亡したとき。
  4. 受給資格期間が25年以上の方または老齢厚生年金等の受給権者の方(受給資格期間が25年以上の方に限ります。)が死亡したとき。
    1から3までを「短期要件」といい、4を「長期要件」といいます。
(注)
  1. 短期要件と長期要件の両方に該当するとき(たとえば、受給資格期間が25年以上の第3号厚生年金被保険者の方が死亡したときなど)は、遺族の方の申出がなければ「短期要件」に該当することとされています。
  2. 短期要件による遺族厚生年金の額の計算においては、300月みなしの保障措置があります。
  3. 受給資格期間の詳細については、共済組合にお問い合わせください。

年金額

遺族厚生年金の額は、支給要件が「短期要件」であるか「長期要件」であるかにより、計算方法が異なります。

短期要件

報酬比例額(AとBを比較して高い方の額)

A.本来水準額(イとロの合計額)

下記の表は横にスクロール出来ます。

イ 平成15年3月以前 平均標準報酬月額(注1)× 7.125 × 平成15年3月以前の
被保険者期間の月数
× 3 (注2)
1,000 4
ロ 平成15年4月以後 平均標準報酬額(注1)× 5.481 × 平成15年4月以後の
被保険者期間の月数
× 3 (注2)
1,000 4
(注1) 本来水準額の平均標準報酬月額・平均標準報酬額は毎年度再評価されます。
(注2) 被保険者期間の総月数が300月未満のときは、イ、ロのそれぞれの額に換算率(300月/被保険者期間の総月数)を乗じます。

B.従前保障額(イとロの合計額)

下記の表は横にスクロール出来ます。

イ 平成15年3月以前 平均標準報酬月額(注3)× 7.5 × 平成15年3月以前の
被保険者期間の月数
× 1.041(注4) × 3 (注5)
1,000 4
ロ 平成15年4月以後 平均標準報酬額(注3)× 5.769 × 平成15年4月以後の
被保険者期間の月数
× 1.041(注4) × 3 (注5)
1,000 4
(注3) 従前保障額の平均標準報酬月額・平均標準報酬月額は平成6年の再評価で固定です。
(注4) 受給権者が昭和13年4月1日以前生まれである場合は、1.043となります。
(注5) 被保険者期間の総月数が300月未満のときは、イ、ロのそれぞれの額に換算率(300月/被保険者期間の総月数)を乗じます。

長期要件

報酬比例額(AとBを比較して高い方の額)

A.本来水準額(イとロの合計額)

下記の表は横にスクロール出来ます。

イ 平成15年3月以前 平均標準報酬月額(注1)× 7.125(注2) × 平成15年3月以前の
被保険者期間の月数
× 3
1,000 4
ロ 平成15年4月以後 平均標準報酬額(注1)× 5.481(注2) × 平成15年4月以後の
被保険者期間の月数
× 3
1,000 4
(注1) 本来水準額の平均標準報酬月額・平均標準報酬額は毎年度再評価されます。

B.従前保障額(イとロの合計額)

下記の表は横にスクロール出来ます。

イ 平成15年3月以前 平均標準報酬月額(注3)× 7.5(注2) × 平成15年3月以前の
被保険者期間の月数
×1.041(注4)× 3
1,000 4
ロ 平成15年4月以後 平均標準報酬額(注3)× 5.769(注2) × 平成15年4月以後の
被保険者期間の月数
×1.041(注4)× 3
1,000 4
(注2) 亡くなられた方が昭和21年4月1日以前生まれである場合は、生年月日に応じて読み替えがあります。
(注3) 従前保障額の平均標準報酬月額・平均標準報酬額は平成6年の再評価で固定です。
(注4) 受給権者が昭和13年4月1日以前生まれである場合は、1.043となります。

中高齢寡婦加算額

612,000円

妻が遺族厚生年金(長期要件に該当する場合は被保険者期間が240月以上であるもの)を受ける場合で、次のいずれかの条件に該当するときは、65歳に達するまでの間、加算されることになっています。

  1. 遺族厚生年金の受給権を取得した当時40歳以上65歳未満であるとき
  2. 40歳に達した当時遺族に該当する子と生計を同じくしているとき

したがって、妻が65歳となったときは、中高齢寡婦加算額が加算されなくなり、その分だけ年金額が減額となりますが、代わりにご自身の老齢基礎年金が支給されます。

なお、国民年金の遺族基礎年金を併せて受けることができるときは、その間、この中高齢寡婦加算額は支給が停止されます。

また、昭和31年4月1日以前に生まれた妻が65歳以上である場合には、生年月日に応じた額の経過的寡婦加算額が加算されますが、障害基礎年金もしくは遺族基礎年金または旧国民年金法による障害年金を受給しているときは、その支給が停止されます。

支給停止

遺族厚生年金を受ける遺族が夫、父母、または祖父母であるときは、60歳に達するまで年金の支給が停止されます。ただし、夫が遺族基礎年金の受給権を有する間は、支給停止が解除されます。

遺族厚生年金の失権

遺族厚生年金の受給権者が、次のいずれかに該当したときは、その権利を失うことになります。

  • 死亡したとき
  • 結婚したとき(届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含みます。)
  • 直系血族および直系姻族以外の方の養子となったとき(届出をしていないが事実上養子縁組関係と同様の事情にある場合を含みます。)
  • 死亡した組合員であった方との親族関係が離縁によって終了したとき
  • 子または孫が18歳に達した日以後の最初の3月31日に達したとき(障害等級が1級または2級の障害の状態であるときは失権しませんが、その状態でなくなったときは失権します。)
  • 障害等級が1級または2級の障害の状態にある子または孫が20歳に達したとき
  • 遺族厚生年金の受給権を取得した当時子のいない30歳未満の妻の場合、遺族厚生年金の受給権を取得した日から5年を経過したとき
  • 子のいる30歳未満の妻が、30歳に達する前に遺族基礎年金の受給権を失った場合、そのときから5年を経過したとき

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