我が国の公的年金制度は、それぞれいろいろな経過を経て今日を迎えていますが、現在では、次のように2種類に分かれています。
基礎年金制度(国民年金)は、従来、自営業の方などを対象としていた国民年金制度を、昭和61年4月からサラリーマンやその被扶養配偶者にも適用を拡大し、全国民に共通の「基礎年金」を支給する制度として発足しました。
これにより、厚生年金に加入している方は、あわせて国民年金にも加入し、同時に2つの年金制度の適用を受けることになっています。
被用者年金制度の一元化により、共済年金制度は厚生年金制度に統一され、平成27年10月1日から厚生年金に公務員や私学教職員も加入することとなりました。
厚生年金の被保険者は次の①~④に区分され、年金の決定、支払いなどの事務をそれぞれの種別に応じた実施機関が行います。
第2号から第4号厚生年金被保険者以外の民間被用者等
実施機関・・・ 日本年金機構(厚生労働大臣から委託)
国家公務員共済組合の組合員たる厚生年金被保険者
実施機関・・・ 国家公務員共済組合および国家公務員共済組合連合会
地方公務員共済組合の組合員たる厚生年金被保険者
実施機関・・・ | 地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会および地方公務員共済組合連合会 |
私立学校教職員共済制度の加入者たる厚生年金被保険者
実施機関・・・ 日本私立学校振興・共済事業団
国民年金には、日本国内に住所を持つ20歳以上60歳未満のすべての方(この方々を「国民年金の被保険者」といいます。)が加入することになっています。また、この被保険者の種別は、第1号から第3号までの3つの被保険者に分けられています。
第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満で、次の第2号・第3号被保険者に該当しない方(学生、農林漁業・商業などの自営業や自由業の方とその家族) |
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第2号被保険者 | 厚生年金保険の被保険者(70歳未満) |
第3号被保険者 | 第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者 |
(注) | 国民年金の被保険者の種別が変更になったとき(たとえば第2号被保険者や第3号被保険者から第1号被保険者になったときなど)は、種別変更の手続が必要です。 |
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国民年金の被保険者の種別が第1号から第3号までの3つの被保険者に分けられているのは、保険料の納付方法が異なっていることによるものです。
第1号被保険者は定められた保険料を個別に納付することになっていますが、第2号と第3号の被保険者は、保険料を個別に納付する必要はなく、第2号被保険者が加入している制度(地方公務員共済組合のうち市町村共済グループ(指定都市職員共済組合、市町村職員共済組合および都市職員共済組合)の共済組合の場合には本連合会)が拠出金として負担しています。
老齢厚生年金などの被用者年金や老齢基礎年金などの基礎年金も、当面の間(年金財政が安定する見通しが立つまでの間)は賃金や物価の変動率および公的年金被保険者数の減少率、平均余命の延びに応じて年金額を改定することになっています。
具体的には、賃金や物価の上昇がそのまま年金額に反映されるのではなく、賃金や物価が上昇しても公的年金被保険者数が減少したり平均余命が延びた場合は、その分年金額の上昇が抑えられることになります(マクロ経済スライドによるスライド調整)。
年金の支払月は、次のとおり年6回です。
支払月 | 支払月分 |
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2月 | 12月、1月分 |
4月 | 2月、3月分 |
6月 | 4月、5月分 |
8月 | 6月、7月分 |
10月 | 8月、9月分 |
12月 | 10月、11月分 |
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